副業

会社にバレない副業は不可?

昨今、副業・兼業を希望する人が増えています。

「収入を増やしたい」「転職や独立を考えている」「新しい知識やスキルをみにつけたい」などといった理由で副業を始める人が多くいるようです。

また、コロナ禍のテレワーク実施により時間的にゆとりができたことや自宅で仕事をすることに効率性を見出したといった声も聞かれるようになりました。

既に、株取引や仮装通貨、アフィリエイトブログやYouTube、UberEatsなどさまざまな方法で副収入を得ている人もいらっしゃるのではないでしょうか。

厚生労働省でも「働き方改革」を提唱し、副業や兼業の普及促進を図っており、副業をこころざす人は今後も増えていくことでしょう。

しかしながら、副業を禁止にしている会社はいまだに多く「本業の会社にバレないか心配」という人も少なくないのが現状かと思います。

ここでは「どういった流れで副業がバレてしまうのか」「バレない方法についてのよくある勘違い」「サラリーマンが副業をするための方法」についてそれぞれ解説します。

最初に確認すべきこと

副業についての捉え方やその可否は企業や仕事の内容によってさまざまです。

まず、副業をこころざすにあたって最初に確認すべきことを2点挙げてみました。

勤めている企業は副業を禁止しているのか

本業の会社にバレないかが心配になる副業ですが、気を付けなくてはならないのはその会社が副業を禁止している場合のみです。

「入社時は副業をするつもりがなかったので確認していなかった」「働き方改革により副業が可能(許可制)になった」などといったケースもあるため会社ルールをあらためて把握しておく必要があります。

勤めている会社の就業規則を今一度確認しておきましょう。

その行為が副業にあたるのか

一般的に本業として会社との雇用関係がありながら、副収入を得る行為については「副業」と言われますが、日本において副業の明確な定義は決まっていません。

そのため、各企業の判断や就業規則の記載内容によりどこまでを副業とするかは異なってきます。

代表的な例としては株式やFXなどの投資です。

これらの行為は多くの企業において「資産運用」として捉えられており、副業に該当しないと言われています。

禁止される副業の範囲について具体的な記載がされている場合もありますので、こちらも就業規則をしっかりと確認する必要があります。

副業が会社にバレる原因とは

お勤めの会社が副業禁止だとわかったところで、次になぜ副業がバレてしまうのかについて説明します。

副業がバレてしまうのには主に以下のような原因があります。

税金関係の通知でバレてしまう

副業が会社にバレる原因として最も多いのは住民税の金額変動が会社に伝わるパターンです。

副業を行って収入を得るとそれが翌年の税額に必ず反映されます。

住民税の金額変動

住民税の金額は、お勤めの会社が前年の給与支払報告書を市区町村に提出することで決定されます。副業を行っている場合はそれぞれの会社から市区町村に提出される事になります。

一方で、市区町村は給与が最も多い会社一社に合算した給与額分の住民税を報告します。それを受け取った本業の会社は金額が合わないため、あなたが副業をしていることがバレてしまいます。

金額変動の過多や会社がどれだけ厳しくチェックしているかにもよりますが、多くの場合はこういった理由から副業が明るみに出てしまいます。

年末調整の書類提出

また、税金関係で言えば年末調整の時期にうっかり副業がバレてしまうパターンも見受けられます。

年末調整において「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」を職場に提出しますが、年末調整は必ず一つの会社で行います。

この「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」を誤って副業の会社にも提出してしまうと年末調整が重複してしまいます。

この場合、税務署から各会社に連絡が行くので副業がバレてしまいます。

同僚に見つかってしまう

副業が会社にバレる原因として次に多いのは副業をしていることを同僚に見つかってしまうパターンです。

会社の規模が大きく関わる人が多い仕事ほど、見つかってはいけない相手が増えることになります。

行っている副業の内容によって見つけられ方はさまざまですが、以下に典型的な例を紹介します。

会社内で副業をしてしまう

パソコンやスマートフォン一つでもできる副業が増えており、つい会社内で副業をしてしまいたくなります。

しかし、就業中に副業をしているところを見つかってしまうケースは意外に多く注意が必要です。

会社によってはWeb閲覧のチェック等を行っているため、サイトへのログインなどは控えるようにしましょう。

また、資格の参考書や学習書などが本業に関係ないものである場合、副業や転職を疑われてしまい、上司や人事部との面談などに発展してしまうケースもありますので見つからないように気を配りましょう。

接客業などで会ってしまう

飲食店やコンビニエンスストアなど接客を伴うアルバイトは見つかってしまうリスクが大きくなります。

「会社から離れた場所だし大丈夫」と考えていても思わぬところで出くわしてしまう可能性も捨てきれません。

また、同僚だけでなく取引先や営業のお客様などから伝わってしまうケースも多いため、自分でも気づかないうちに見られていることが多くあります。

こうした業種は見つかってしまうリスクが高いのでこだわりがない限りは避けた方が良いでしょう。

個人特定につながる情報を公開してしまう

副業の手段にYouTubeやSNS、ブログなどを活用している人は注意が必要です。

こういった副業は仕事柄、自分の身の回りのことを話したり、写真に撮ってネット上に公開したりするなど生活の一部を切り取った内容を多く発信することになります。

また、人を集めるという仕事の性質上、顔や名前など個人情報を公開することがより多くの関心を集めることにつながります。

一方で個人情報を公開することでそれがあなたであると特定されるリスクが高まります。

職場で毎日のように顔を合わせている相手からは顔を隠していても背格好や話し声、オフィスの写真や話の内容などで気づかれてしまうこともあります。

こういった業種は人気が高くなり上手くいけばいくほど知り合いにバレてしまうリスクは高まるものですので、軌道に乗っている時こそより注意が必要になります。

同僚に話してしまう

最後に、意外に多いのが同僚に自分から副業をしていることを話してしまうケースです。

副業で収入が増えてくるとつい誰かに自慢したくなってしまいますが、同僚伝いに噂話が大きくなり上司や人事部などにバレてしまうという場合もあります。

また、メールやLINEなどを副業用のアカウントと間違えてしまうことも考えられるため「自らバラしてしまった」というケースは少なくないようです。

会社にバレないように副業するには

上記のように副業はさまざまなルートから会社にバレてしまうため、バレずに副業をするというのは非常に難しいということを念頭に置いておいてください。

そんな中でもバレないように副業をする上で必ずやっておくべきことを紹介しますので、それでも副業がしたいという人は実践してみてください。

住民税を「普通徴収」に切り替える

会社にバレないように副業するために必ずやっておくべきことは「住民税の徴収方法を普通徴収に切り替える」ことです。

まず、住民税の徴収方法には「普通徴収」と「特別徴収」の2種類があります。

自宅に納付通知書が送られてきて自分で納付するのが「普通徴収」、毎月の給与から天引きされるのが「特別徴収」です。多くの会社員がこの「特別徴収」で住民税を納めているかと思います。

先ほど説明したとおり、会社に副業がバレる一番の原因は住民税の金額が増加し、それが本業の会社に通知されることです。

しかしながら、「普通徴収」の場合は会社が住民税を天引きする必要がないのであなたの住民税の金額について通知を受けることもありません。

そのため、会社にバレないように副業するためには「普通徴収」への切り替えがほぼ必須となります。

しかし切り替えは容易ではない

ただ一方で、「普通徴収」への切り替えにはいくつかのハードルが存在します。

まず、「普通徴収」に切り替えるためには一般的に「特別徴収から普通徴収への切替申請書(市区町村によって名称は異なる)」が必要になり、こちらには切り替えが必要な理由を明記の上、本業の会社から市区町村に提出してもらうことになります。

市区町村としては滞納リスクのない「特別徴収」が好ましいですし、切り替えを認めていないケースも多く見られます。

また、「普通徴収」のメリットは納付者側にもほとんどありません。

かつては一年分の住民税を一括納付することで節税をすることができる「前納報奨金制度」がありましたが、ほとんどの市区町村で廃止されています。

現在残っているメリットはクレジットカードで納付が可能といった程度で、後は副業がバレにくいということに尽きます。

本業の会社からすると「なぜそこまでして」と考えることでしょうし、副業への疑いは強まることでしょう。

また、副業先にそれが副業であると隠しているケースなどは更に問題が複雑化します。

現在の徴収方法をあらためて確認

特殊なケースではありますが、現在の徴収方法が「普通徴収」の場合は比較的ハードルが下がります。

「前職は自営業をしていた」「現在の会社へ転職して来た際に前職との期間が空いていた」などという場合、あなたの住民税の徴収方法は「普通徴収」になっています。

多くの場合、現在お勤めの会社に「給与所得者異動届出書」の提出を求められ「特別徴収」に切り替わっているかとは思いますが、年度の途中や会社側の対応によっては「普通徴収」のままにさせているケースもあります。

そういった場合は「普通徴収」を継続するようにしましょう。

特定されるような情報を投稿しない

YouTubeやSNSなどは副業の有無にかかわらず利用している人が多いでしょう。

しかし、何気ない投稿から個人情報が漏れてしまうケースは多く、しばしばネット上のトラブルの火種となっています。

副業としてそうしたネットメディアを使用している場合は尚更投稿する内容には注意を払いましょう。

同僚には話さない

ここまで解説してきたように自分一人でも秘密を守るのは大変なことなので、共有する相手は最小限にとどめる必要があります。

いかに信頼している相手であっても何かの拍子に副業していることを漏らしてしまう可能性があります。

また、副業の自慢話に反感を持たれ悪意を持って密告されることもありますので、同僚をはじめ仕事の関係者には話すべきではないでしょう。

バレない副業についてのよくある勘違い

副業をしている、しようと思っている人の中には「副業 バレる」「副業 バレない」などで検索して既に多くの情報を得ている人もいらっしゃるのではないかと思います。

しかし、誤った情報が含まれているものも多くあるため注意が必要です。

以下にバレない副業についてのよくある勘違いを紹介します。

給料が手渡しならバレない?

「給料が手渡しならバレない」というのは大きな勘違いです。

日雇いアルバイトなどを副業としている場合、給料を手渡しで受け取るケースがあります。

しかし、給料が手渡しでもそのアルバイト先は給与所得をいくら支払ったかを「給与支払報告書」として各市区町村に提出します。

すると前述のとおり、市区町村は給与が最も多い会社一社に合算した給与額分の住民税を報告するため副業がバレることにつながります。

年間所得20万円以下ならバレない?

こちらも勘違いです。

「年間所得が20万円以下なら確定申告は不要」という情報から「年間所得20万円以下なら副業はバレない」と変換してしまう人がいますが、これは誤りです。

確かに所得税については20万円以下の所得に係る確定申告は免除されています。

しかしながら、市区町村に支払う住民税に関してはこうした免除措置は存在しません。

そのため、確定申告を行うもしくは、別途市区町村に申告しなくてはなりません。

繰り返しにはなりますが、この申告が行われることで副業分を合算した税額が決定し、本業の会社に副業の存在がバレてしまうこととなります。

確定申告をしなければバレない?

確定申告を怠ることは絶対にしてはいけません。

定められた期限までに申告・納税をしないと「無申告加算税」や「延滞税」などの罰則が課される場合があります。

また、たとえ故意ではなかったとしても「1年以下の懲役または50万円以下の罰金」が科せられることがあります。

このように確定申告の対象者であるにもかかわらず、申告をしないことは「脱税」であり、副業がバレることよりも余程重いペナルティを背負うことになります。

漏れなく確定申告をするようにしましょう。

また、確定申告の際に申告書第二表「給与所得以外の住民税の徴収方法」の欄で「普通徴収」を選択すると会社にバレないと思われがちですが、副業が給与所得の場合は効果がありません。

また、「市役所のミスで徴収方法が変わっていなかった」「自治体側が受け付けてくれなかった」という体験談も散見されますのでどうやら確実な方法とは言えないようです。

副業が会社にバレるとどうなるのか

ここまで説明してきたように、副業をバレずに続けるのはかなり大変なことです。

それでは副業がバレてしまった場合にはどのような罰を受けるのでしょうか。

法律上は違法ではないが…

意外かも知れませんが、法律上副業は禁止されていません。

冒頭でも説明しましたが、そもそも「副業」というものに明確な定義自体が存在しません。

もっと言えば、憲法第22条1項において職業選択の自由が保障されており、厚生労働省も「副業・兼業の促進に関するガイドライン」を出しています。

一方で、裁判所の判例では「労務提供上の支障がある場合」「業務上の秘密が漏洩する場合」「競業により自社の利益が害される場合」「自社の名誉や信用を損なう行為や信頼関係を破壊する行為がある場合」においては副業を禁止・制限することができるとされています。

また、公務員については「国家公務員法」及び「地方公務員法」において「営利目的での務めまたは私企業の経営の禁止」というかたちで実質的な制限がかかっています。

就業規則違反による処分

副業については法律違反ではないまでも就業規則違反ということになります。

会社によって対応はさまざまですが、多くの会社は事実確認を兼ねた面談を行い、注意勧告から始まるようです。

しかしながら、本業と同業種での副業やナイトレジャー関連での副業は判例で解雇が認められていることなどから重たい処分になる可能性があります。

また、賞与や昇進など勤務態度等の査定が影響するものにおいても不利な扱いを受けることがあります。

これらは労働法などで規制が入りにくい部分でもあるため、会社の裁量に大きく委ねられることになるでしょう。

こうした処分を受けた際に不当なものであるとして訴えを起こすことはできますが、会社と法的に争わなくてはならない時点で金銭的にも時間的にも多くのデメリットを抱えることになることは覚えておきましょう。

そもそもなぜ副業をするのか

上記のように副業は会社にバレずに続けるのは難しく、バレてしまった際のリスクも決して小さくありません。

リスクを負ってまで副業をする必要があるのか、あらためて副業をする理由を考えてみましょう。

収入をあげたい

本業の収入には満足ができず、副業をしている人も多いかと思います。

しかし、副業自体も収益を出すまでに時間がかかったり時間単価にしてみると意外と安くなってしまったりと必ずしも収入アップに直結するものばかりではありません。

収入アップを目的にバレるリスクを背負いながら副業を続けるより、転職で年収アップを狙った方が良いかもしれません。

スキルアップしたい

本業に関連したスキルアップを目指しているなら資格取得など給与の発生しない範囲で取り組むのが良いでしょう。

また、本業のスキルアップが目的の場合、特別に会社から許可が下りたり支援制度が設けられていたりするケースもあるため相談してみても良いかもしれません。

独立や同業種での転職を視野に入れている場合も副業がバレてしまうことで業界内での信用を失ってしまう可能性があるため慎重に立ち回る必要があります。

副業OKの転職先という選択肢も

その他の事情で副業がどうしても必要だという場合は副業を許可している会社に転職するというのも選択肢に入れましょう。

株式会社マイナビが2020年に全国1910社を対象に実施した調査では、49.6%の企業が「兼業・副業を認めている」と回答しており、「将来的に認める・拡充する予定」と答えた企業も57.0%にのぼるなど副業を容認する会社も少しずつではありますが増えてきています。

まとめ

副業がバレる理由や副業をするために気を付けておくべきことについて解説してきました。

なぜ副業がバレてしまうかというと、以下の3つの理由があるからでした。

【副業がバレてしまう理由】

・住民税金額の変動

・副業中に見つかってしまう

・同僚に話してしまう

会社にバレずに副業を続けるのは難しく、バレてしまった場合もリスクは小さくありません。

あなたの人生を豊かにする上で副業は目的ではなく手段です。

なぜ副業をするのかあらためて考えてみるとまた違った道が見えてくるかもしれません。